
今回はベテラントレーダーから初心者トレーダーでも恐らく大好きな人が多いと思われるMACD。
そのMACDの正しい認識と使い方について説明して行こう。
MACDは使いやすく、そのサインの精度に関しても、比較的的確で、非常に有益な情報をトレーダーにもたらしてくれるテクニカル指標の一つだ。
MACDは基本的な使い方としては、「クロスしたら」という使い方をされている方が多いかと思われる。
その使い方、本当に正しい使い方なのか?と思った事は無いだろうか?
トレード経験の豊富な方ならご存じかとは思われるが、そのMACDの使い方、ちょっと見方を変えるだけで、非常に使いやすくなるので、順を追って説明して行くので、最後まで見て頂ければと思う。
MACDの特徴
MACDの特徴を簡単にまとめると、以下の通りとなる。
- 単純移動平均線より動きが早い。
- MACDの角度によって、相場の勢いが判断出来る。
又、MACDの線のもとは、EMA(平滑指数平均線)を使用しているため、単純平均線と比較すると、動きが早いのは当然の理由となる。
MACDを構成する基本的設定は、MACDが(12,26)、MACDシグナルが(9)が一般的になっている。
一般的に言われているMACDを使った売買方法
MACDは比較的正確なサインを出してくれるので、非常に優れたテクニカル指標である事は間違いない。
しかし、俗に言われている一般的なMACDを使った売買方法見てみると、恐ら以下の画像の様に売買すると存じであるかと思う。
- 画像は1時間足(Ctrl+Shift+クリックで別ウインドウ表示)
一般的に言われている売買方法はこうだ。
- MACDシグナルをMACDが下からクロスしてきたときに買い(赤色)
- MACDシグナルをMACDが上からクロスしてきたときに売り(青色)
上記を踏まえて、売買をして見たと仮定した場合を比較してみた。
買いシグナル | 13回 |
売りシグナル | 14回 |
買いシグナルで買い、売りシグナルで利益確定し、新規売り建てした場合、どうだろうか?
確実に利益が伸びる部分とそうでもないところ、もしくは買いサインが出てから反落してくケースがある。
こういったダマシを防ぐには次の通りになる。
MACDの0点ラインは非常に重要なライン
MACDの買いサイン売りサインをそのまま素直にトレードしていたら、勝率は上がらない。
如何にそのダマシを少なく防いで、大きく利益が取れる可能性が高いポイントを攻めていくか?になる。
そこで必要になるのが、「MACDの0点ライン」になる。
MACDの0点を説明すると
- MACDの0点ラインより上は上昇トレンド
- MACDの0点ラインより下は下落トレンド
こういった認識になる。
では0点ラインを意識して、再度画像を確認しよう。
- 画像は1時間足(Ctrl+Shift+クリックで別ウインドウ表示)
こう見て頂くとどうだろう?
青枠は下落トレンド。赤枠は上昇トレンド。いずれもMACD 0地点を越えてトレンドが変化している事がわかる。
トレンドが変化しているという事は、とのトレンドに対応した売買を取って行かないといけないということになるため、
- 上昇トレンド中(MACD 0点ラインより上)の時は買いサインの時だけ、買いで入り、売りサインで利益確定する。
- 下落トレンド中(MACD 0点ラインより下)の時は売りサインの時だけ、売りで入り、買いサインで利益確定する。
という流れになるはずだ。
こうする事で、トレンドに反した売買を重ねる事なく、利益を上げれる可能性が変化するはずだ。
MACD 0点ラインで売買する方法
今回、MACDの0点ラインを使用して売買出来ないか?と考えた方もいると思う。
MACDの0点ラインでトレンドが変化するなら、変化したトレンドに乗って行け、という戦略だ。
MACDの0点ラインのみで売買するのはお勧め出来ないが、ダウ理論等と併用すると、如何にトレンドに乗る事が重要かがわかる。
もう一度上の画像の買いゾーンを見て頂くと、一つ目の赤丸は、トレンドが変化した「一回目の押し目」になっている。
今回使用している画像が、4時間足ダウ理論は下落のため、「下落途中の一時的な1時間足上昇トレンド」となる。
そのため、上昇トレンドの時は大きく利益にはつながらないが、右側青枠の下落トレンドに変化した場合の青丸地点2箇所どちらかで売りポジションを建て、「0点回復」で利益確定した。と仮定しても、大いに利益は取れる事が確認出来る。
まとめ
従って、もちろんテクニカル指標を基に売買するのも大事だが、如何にトレンドに乗るか?ということの方が重要であるか?
というのがわかって頂けたかと思う。どんなテクニカル指標も一長一短がある為、根本的なダウ理論を併用しつつ、テクニカル指標は補助ツールとして使った方が良い。